7/28、ミックのソロ "Gotta Get A Grip / England
Lost" の緊急リリースがなされてから、3日後の7/31、ワードレコーズからめでたくストーンズのリリース・インフォが!
何がめでたいって、ワードレコーズは7月いっぱい、多くの商品を50%オフという怒涛のクリアランスセールを展開してて、大丈夫なのかな?とちょっと心配してたんです。 それは杞憂かどうかはわかりませんが、めでたくワードレコーズからリリース・インフォ!!
ストーンズ史上初の名盤再現ライヴ! 2015年にフォンダ・シアターで行なわれた『STICKY
FINGERS LIVE』が9/15日本先行発売決定! 寺田正典氏による数万字長編解説、さらにZip Codeツアー初日サンディエゴ公演を撮影したオフィシャル・カメラマン、有賀幹夫氏による撮影記封入と!! さらにSuper Deluxe BoxはBlu-ray or DVD、CDに加えて、3枚組アナログ、Tシャツ(持ってる…)ポスター(持ってる…)、クリアファイルつきとのこと〜!
2015年当時、『STICKY
FINGERS』からの演奏曲のサウンドのみがダウンロード販売のみされていましたが、今回は全曲収録でめでたく映像化!!
2015年、ローリング・ストーンズ'71年の名作アルバム『STICKY
FINGERS』の各種拡大盤のリリースに合わせた北米ツアー「Zip Code」が行なわれた。 そのツアーの幕開け公演として5月20日、ロサンゼルスの小規模会場で実現した、『STICKY
FINGERS』全曲演奏をフィーチャーしたスペシャル・ギグを収めた映像作品がついに発売される。 そこでの密度の高い名作再現ライヴは文句なしの幸せ感に満ちているだけでも嬉しいのに、それがいつも以上の臨場感たっぷりのサウンドで収録。しかも当日のライヴをフル・セットで楽しめるという充実ぶりが嬉しいリリースだ。
わずか2年前のライヴを収めた映像に、ストーンズの歴史的映像作品が並ぶ「フロム・ザ・ヴォルト」シリーズの名を敢えて冠してリリースすることになった理由の一つは、この日のギグが持つ二重に歴史的な価値をアピールするためではないかと思う。二重にと書いたのはつまりこういうことだ。 ストーンズが、ロック・クラシックの名作としても名高い『STICKY
FINGERS』全収録曲を一度に演奏したのはこれが初めてだったという点。そして『STICKY
FINGERS』に限らずストーンズ自身のアルバム全曲を同じコンサートの中でプレイしたのはこれが最初で、もしかしたらこれが最後になるかもしれない、ということだ。
『STICKY
FINGERS』はご存じの通り、自分たちで設立したローリング・ストーンズ・レコーズからの第1弾アルバムとして'71年4月にリリースしたアルバム。前年に'69年録音のライヴ・アルバムは出していたものの、実質的には彼らが70年代に最初に世に問うたアルバムと言ってもいい作品だ。アンディ・ウォーホルによる衝撃的なジャケットといわゆるベロ・マーク(こちらのデザインはジョン・パッシュによるもの)の鮮烈なイメージと共に登場したこともよく知られている。 制作期間も「解釈」によっては、収録曲中の1曲の最初のテイクが録音された'68年5月から'70年12月までと長期にわたり、録音場所も3箇所。その間には2度の大きなツアーを挟み、拗れた契約問題、グループの財政破綻状況の解決策を模索してい苦労していた時期とも重なるなど、「激動」の時期に制作したアルバムでもあり、メンバーが特別な思い入れを抱いていることは、この作品にも挿入されているメンバーたちの発言を通しても伝わってくる。そんなアルバムの拡大盤リリースに合わせたツアーの初日公演を、それまで敢えてやってこなかった全曲演奏を含むスペシャルなものにさせる力となったのは、ミック・ジャガー、キース・リチャーズの二人を中心としたメンバーたちのそうした思い入れの力だったのではないかと思う。
ポイントとなる『STICKY
FINGERS』演奏部分は、同年6月末から有料音楽配信もされているが、その際に公開された公式プロモーション用動画に含まれていた短い演奏シーンだけは実感し難かったフォンダ・シアターという会場のコンパクトさ、したがってそこで繰り広げられる『STICKY
FINGERS』再現ライヴの、観客の幸せいっぱいの反応も含めた密度の濃さをたっぷりと味わえるのが、今回の映像作品の一番の観どころとなる。
ただし再現と言っても、ストーンズのそれは伝統保存会的なそれとは全く違う意味合いを持っている。制作当時にはいなかったロン・ウッドのここでの力強い活躍を見てもそれは明らかだが、ミックの歌い方、チャーリーのリズムの刻み方といった細部をチェックしていっても、今回の再現ライヴが現在のストーンズだからこその「やり方」の積み重ねで構築されていることがわかる。それがこのライヴをマニアライクなイヴェントではなく、力強いライヴにしていたのだ。逆に、ボビー・キーズを失い、ミック・テイラーをゲスト参加させていたツアー終了後に敢えてこの企画にトライしたところに、今のストーンズの意地が感じられると言ってもいい。
もちろん、久しぶりのオーティス・レディング・カヴァー「アイ・キャント・ターン・ユー・ルーズ」も含む当日のライヴ全16曲は、ボーナス映像も含めると完全収録。しかもこのプレミアム・ライヴの特別な雰囲気をそのままパックしてくれたような、通常のライヴ盤以上に会場のアンビエンス感を重視した大胆なサウンド作りで。
そしてすでに触れたメンバーへのインタヴューが何カ所か曲間に小気味良く挿入されるほか、ジャケットの下半身モデルは誰か?に関するものなど、アルバム制作当時を振り返る貴重な証言も盛り込まれており、「フロム・ザ・ヴォルト」シリーズとして出されるこのライヴ映像作品に一層メモリアルな奥行きを与えている。
文=寺田正典氏 https://wardrecords.com/products/detail4084.html
01. Start Me Up 02. Sway 03. Dead Flowers 04. Wild Horses 05.
Sister Morphine 06. You Gotta Move 07. Bitch 08. Can't
You Hear Me Knocking 09. I Got The Blues 10. Moonlight Mile 11.
Brown Sugar 12. Rock Me baby 13. Jumping Jack Flash
《ボーナス映像》 01. All Down The Line 02. When The Whip
Comes Down 03. I Can't Turn You Loose
なお、実際のライブでの演奏順は Start Me Up/When The Whip Comes Down/All Down The Line/Sway/ Dead Flowers/Wild Horses/Sister Morphine/You Gotta Move/Bitch/ Can't You Hear Me Knocking/I Got The Blues/Moonlight Mile/ Brown Sugar/Rock Me Baby/Jumping Jack Flash/
I Can't Turn You Loose
|