ならず者を科学する
お題目は大げさですが、プラチナSHM-CDのリリースにあわせて簡単な波形分析をしてみたコーナーです。
波形分析は大雑把に言ってしまえば音のよしあしではなく、音の大小を見てるわけですが、それを可視化することで音の特徴もつかめます。
ということで
Rolling
Stones『EXILE ON MAIN ST』、歴代4種類のマスタリングがなされたCDから
"Shine
A Light" をPCで波形分析してみました。
比較に使ったCDはこれら。
1
: CBS/SONY 42DP 601 (初CD化作品)
2 : Virgin(東芝EMI) VJCP-18012
(いわゆる1994リマスター)
3 : Universal UICY 1478/9 (2010リマスター。ならず者は一年遅れなのでいわゆる2009リマスター)
4 : Universal UICY-40002 (2013プラチナSHM。UKアナログ・オリジナル・マスターからというCD)
ちなみにSACDはパソコンでは再生も出来ないのでわかりません(SACDからという88200Hz
24bitのデータは持ってますが、ほんとかどうかわからないし)
そして波形分析は2種類。ごくごく簡単な説明ですが、ざっと見てみましょう。
まずは音量変化。使用ソフトはSoundEngineFree。
下の波形は横軸が時間で縦軸がdB。
左端が曲の始めで、右端が曲の終わりの4分ちょっと(4がちょい最後の無音が長いんですが)、その間の音の大きさをch1と2(左と右)別に時系列で示したもの。
このグラフではラウドネス・ウォー、音圧上げ合戦を顕著に表しています。
2のVirgin1994リマスターも音圧高めなのがわかりますが、3のUniversalの2010リマスターにいたっては音圧を上げすぎて上下両端にぶちあたってます。
この"Shine
A Light"では冒頭の音量が小さいのでまだましですが、普通はあまりに四角くなるので、俗称「羊羹」と呼ばれるゆえんです(笑)
1のCBS/SONY、そして4のプラチナSHMはぶち当たることもなく綺麗ですね。
また、"Shine
A Light"を選んだのには理由があり、CBS/SONY盤は未リマスターということでこれが原音のミックスに近いのかと思いきや、イントロ冒頭やラストでは音量を絞っている事がよくわかります。
ノイズに聞こえる部分はCBS/SONY盤ではところどころ音を絞っているようで、このCBS/SONY盤のフェードイン・フェードアウトを原音ミックスと思ってはいけないということですね。
1. CBS/
SONY |
2.
Virgin 1994 Remaster |
3.
Universal 2010 SHM-CD |
4.
Universal 2013 Platinum SHM-CD |
続いてピークレベルを見てみましょう。使用ソフトはWS.EXE。
音の特徴はピークよりも平均値を算出したほうがわかりやすいでしょうが、それはちょっと難しいのでピークにて。
こちらは横軸が周波数で10〜2000Hz。縦軸はdB。
左端が低音で右端が高音、1曲まるまる再生後のピークレベルを音域列で示したもの。
こちらもそれぞれのCDの特徴がよく表れています。
1のCBS/SONYは、こちらの波形でも4のプラチナSHMに似ているものの、ハイエンドの落ち込みが顕著。これが初CDの音が悪いと感じる最大の要因。
3のUniversalの2010リマスターのSHM-CDは、やはりピークが高めで、グラフの両端である超低域や超高域ですら不自然に持ち上げられているのがわかります。
こちらの波形でも4は綺麗ですね。
1.
CBS/SONY |
2.
Virgin 1994 Remaster |
3.
Universal 2010 SHM-CD |
4.
Universal 2013 Platinum SHM-CD |
最初に書いたとおり、これらが音のよしあしを示すものではありませんが、その特徴はなんとなくわかっていただけるかと。
そして4と同傾向のSHM-SACDは素晴らしい音なんです、ハイ。
そしてさらにリリースされたBlu-ray
Audio。こちらも同じマスターからか、SHM-SACDとの違いはイマイチ感じませんでしたが、いい音してます!