AFTERMATH |
UK DECCA MONO
LK4786 released in 04.1966 |
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本作は UK 4作目にして初の全曲オリジナル曲による意欲作。中でも
"Goin' Home" は11分にも及ぶ力作で、そのためA面6曲に対してB面には8曲もの合計14曲を収録。
ここに収録された曲は、65年の北米ツアー終盤の12月、そして66年の豪州ツアーを終えた3月、共に
LA はハリウッドの RCA スタジオで録音されています。そしてその後1ヶ月ちょっとでアルバムリリース。はやいですね〜(笑)
そして本作は初の全曲オリジナルという点だけでなく、ブライアンの多才振りが発揮されはじめている点でも注目です。シタールやダルシマーなどいろんな楽器を操っていますが、"Lady Jane" のハープシコードは Jack Nitzsche なのかもしれないとのこと( by Complete Works )。ジャガー/リチャード体制への不満がそうさせたのかもしれませんが、そのおかげで見事な作品に仕上がっています。他に Ian Stewart がピアノで参加。プロデュースはお馴染み Andrew Oldham。
ちなみにジャケットデザインも異なるUS盤は中身も違い、 US 盤には "Paint It, Black" が1曲目に収録され、この UK 盤に収録されている "Mother's Little Helper" "Out Of Time" "Take It Leave It" "What To Do" はカットされ、曲順もちょっと変更されています。その "Paint It, Black" は UK 盤の曲と同時期に RCA スタジオで録音されていますので、UK盤に収録されてもよかったようなもんですが、結局UKではベスト盤に収録。その辺のややこしい事情はよくわかりません(笑)
さて、前作から stereo / mono 盤と2種類リリースされていましたが、この
mono 盤には、アルバムカヴァーのデザインがちょっと変わったものがあります。
タイトルに影がついたいわゆるデフジャケが少数出回ったようで、シャドー・カヴァーと呼ばれて高額で取引される逸品。
そんな逸品ですが、2009年3月、やはり不景気のせいかレアものの放出をちらほら見かけるようになり、しかも価格もさほど高騰しないという、コレクターにとってはおいしい時期が到来。ということでこのシャドー・カヴァーもちらほら見かけるようになりました。盤のマトリクスナンバーの末尾が
1B/1A の完全初期盤でも4万円くらい、破れのある傷物だと1万円ぐらいと、一時期よりはかなり値崩れしていたものの、やっぱり高いしそもそも不景気だから買えないぞと見送る日々。。。
ちなみにこのシャドー・カヴァーの中身の盤は、必ずしもマトが 1B/1A の完全初期盤だけではなく、5B/3Aや1B/5Aといった盤のシャドー・カヴァーが売られているのを、2009年3月時点でも確認できます。わざわざ盤の差し替えもしないでしょうから、きっとそういう組み合わせもあったんですね。それでも写真掲載もなくて3万円以上しますけど(笑)
が!そのシャドー・カヴァーを、なんと7000円でもお釣りがくるという価格で発見!!一体いつから売られていたのか・・・?
でも盤のマトリクスインフォも一切なければ、ジャケ写真すらないというかなりの冒険。。。この値段ならやっぱり程度はよくないんだろうけど、この値段なら冒険する価値はあるかと・・・。
念のため本当にシャドー・カヴァーかとサンプル画像をメールすると、そうだとの返事が。ヨシッ!エイヤッ!!
そして待ちに待って英国から届いたのは、まごうことなきシャドー・カヴァー!!!
取り出してみるとジャケはラミネートの浮きもあって黄ばんでるしへたってますが、この値段でこれなら大満足!
シャドー・カヴァーはジャケが命、とはいえレコードは聴くためにあると盤をチェックしてみると、スピンドルマークはそれほどなし。
でもマトは残念ながら
4B/4A で、盤には指の跡がべったり、しかもB面にははっきり音に出るであろう5mmほどの傷が。おまけにインナー袋は古いもので
Made In England と書いてあるけど、ほぼ無地でオリジナルかどうかは不明。
ま、やっぱり全てがうまくいくものではないということで(笑)
とはいえさっそくクリーニングして鳴らしてみると、チリパチはよく鳴りますが、やっぱり自然で温かい音がしますねぇ〜。しかも音が一緒にやってくる。
ブライアンの多才振りを味わうにはステレオ盤の方がわかりやすいですが、こうしたモノラルもまたおつなものです。そしてブライアンだけでなく、ビルのベースがほんっとに心地いい。盤の程度はよくないもののヴォーカルや高音もつぶれてないので一安心。ほんっとにやわらかい自然な音で、オリジナル
mono 盤ってのはやっぱいいもんです。
いつか超音波洗浄でもかけてあげたいですが、その洗浄器がまた高いのでまだ買えない(笑)
ちなみに本作品の stereo 盤はCD化において音の広がりや定位などが変遷していますが、現行CDとのミックス違いはあまり感じられません。ただしフェードアウトのタイミングがやや異なり、"Under
My Thumb" は15秒ほど短く、"It's Not Easy" も7秒ほど短く、"I
Am Waiting" では逆に6秒ほど長く、"Take It Or Leave It" も数秒長く、"Think"
も5秒ほど長くなってます。そして最後の "What To Do" はこれまた数秒短いと。
参考資料も見てみると、このうち2曲についての長さの記述はありませんでしたが、やっぱり違いますね。あとこれはわたしにはあまりその違いは感じられませんでしたが、
"I Am Waiting" ではタンバリンがあまり聴こえないとなっています。
そんなわけですが、実は 『AFTERMATH』
の UK DECCA 盤は持ってなかったので、初めての UK DECCA 盤が mono盤 でシャドー・カヴァーだったりしますが、いい買い物が出来ました!
でもシャドー・カヴァーのシャドーの色にはもう1種類、別の色のものがあることを先日某氏のお宅で拝見して知りました。まだまだ道は長いようです(笑)
[追記]
2011年、またしてもシャドー・カヴァーを買ってしまいました。
今回見つけたのは1B/1Aの初期盤にしてピッカピカのシャドーカヴァー。ジャケにはDecca
Londonの見慣れないステッカー付き。
わたしのご先祖様は農耕民族だと思いますが、たまに狩猟民族の血が騒ぎ(?)、欧米人に負けてなるものかと闘争心に火がつきつつもじっと我慢、最後の最後にどんと入札して見事落札(笑)
UK DECCA MONO
LK4786 released in 04.1966 |
上で紹介したシャドー・カヴァーと比べてみるとこのとーり全然綺麗。まぁそりゃ値段も全然違うので、同じだったら困ります。
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シャドー・カヴァーは見た目が命なれど、今度はちょいとがんばって釣り上げただけあって見た目もさることながら盤もすばらしい!
聴き比べてみたら全然違う。艶のあるふくよかな音に、こんなにいい音で鳴る盤だったのかと!!しかもマトは1B/1A、盤のコンディションも断然コチラが上!!
うん、いくときゃいかんといかん!
やっぱアナログ最高!!
ということでこれまたわが家の宝物ランクインです。
しかしアナログ収集っていつになったら終わりが来るんでしょう?