EXILE ON MAIN ST. |
UK ROLLING
STONES RECORDS COC 69100 released in 05.1972 |
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2010年を振り返ると、1972年にリリースされたこの作品一色の一年でした。
『EXILE
ON MAIN ST.』のリマスター盤に未発表曲を加えてのSuper
Deluxe/Deluxeのリリース、制作過程を振り返る『STONES
IN EXILE』、そして本作を引っ提げての怒涛の1972年USツアーを収録した『LADIES
& GENTLEMEN』が遂にオフィシャル・リリース。
ということで、2010年はあらためて『EXILE
ON MAIN ST.』を振り返ることとなった素晴らしい一年でしたが、その昔、高校生のときに後追いで初めて聴いたときには「ごちゃごちゃしててなんだか長すぎてよくわからんなぁ〜、特にC面」と。まぁ酒も女ももちろんドラッグも知らない高校生には理解不能。その後しばらくして、ようやく本気でこの作品をカッコイイと感じるようになったもんです(笑)
多くがフランスのネルコートで制作された本作は酒とドラッグとセックスの匂いがたちこめる泥臭い作品であり、自らのレーベルを立ち上げて作った『STICKY
FINGERS』に次ぐ第2作が2枚組みとはおそるべし。ミックとキースは当時まだ20代最後の若輩者。これまたおそるべし。
そんな解説不要の名盤ということで、USアナログ盤は以前から持っていたんですが、UKアナログ盤は2008年春にアナログ収集を再開して以来ずっと捜索していました。
しかーし、UK初期盤でも4面マトリクス末尾のどれかが2だったりすることが多く、なかなかオール・マト1にはお目にかからなかったんですが、わたしの性格上「それらを買ってもいずれはオール1を欲しがるに決まってる」と、オール1以外はずっと見送ってました(笑)。しかもアナログで問題なのは「コンディション」と「お値段」だったりします。それが2009年7月、コンディションもよさげでポストカードやインナースリーブも完備、それでいて値段も諭吉さん以下だったので迷わずゲット!!
はるばるUKから届いたオール1はコンディションもすこぶる良く、針を落としてみると、おぉ〜こんなに低音が自然に出てるんだと、なかなか粘りのある音でナイス!
それでいて中高音域もクリアで自然な音の広がり。多少プチパチ鳴ろうが、やっぱりメインストリートはアナログに限ります!!
ちなみにこの作品、わたしのUS盤とUK盤の違いはさほど感じず。強いて言えばわたしのUK盤はやや音が細くてタイトなイメージ、US盤はもう少し厚みのある音。
まぁどちらも素晴らしい音だということなんですが、違いを感じないのはちょっと面白くなかったり(笑)
もちろん発売から40年近くも経つ今となっては、比較しようにも盤のコンディションの影響が大。タイムマシンがあれば比較できるんですけどねぇ〜。
ま、タイムマシンなんてあったらあったで60年代に飛んでいってライブ見まくり&アナログ買い漁りますが(妄想モード突入・笑)
ところでポストカードはUSとUKでは大きさだけでなく色使いも違ってまして、写真の左側のがUKですがそちらは完全白黒で紙質もイマイチ。
US盤の方が印刷も綺麗で文字は赤色。その後CDのおまけで復刻されたのはそのUS盤のほうですね。
UK盤はそんなわけでしたが、2010年6月、とんでもない『EXILE ON MAIN ST.』を釣り上げてしまいました!
US Promo COC 2-2900 released in 05.1972 |
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プロモ盤らしく、ジャケットの表にはPromotional
Copyステッカー、裏には曲目が書かれたステッカーが貼られています。
このプロモ盤、unplayedとして売りに出されていたものでしたが、届いてみるとまさにMintコンディション!ノイズレスで凄まじい音を奏でてくれました!
わたしが持っていたUS盤や、UKオリジナル盤(オール・マト1)を凌駕する素晴らしい音です。
それぞれ盤のコンディションが違うので比較はあくまでもわたしの持ってる盤での話ですが、わたしのUK盤はやや音が細くてタイトなイメージ、US盤はもう少し厚みのある音でしたが、このプロモ盤は極上コンディションだからでしょうが、そのUS盤よりさらに低音が出て厚みがあるばかりでなく、ギターやピアノに艶もあり、なんなんだこの鮮度のよさはと。
ネルコートの地下室の雰囲気はタイトなUK盤が一番出ているような気がしますが、聴き親しんだExileがこうして鳴ることに最初はためらいを感じるほど。これが本来の音だったのかと!
やはりこの音をCDはもちろん24bitなりデジタルで再現するのは困難なのか。たとえソフト側で再現できたとしても、ハード側でかなりの能力が求められるやもしれず。いや、そもそもDon
Wasによるとマスターがきちんと保管されてなかったらしいので、オリジナルに肩を並べることすらもはや不可能なんでしょう。そういう意味でもほんとにいいものを手に入れました。
しかしこのプロモ盤、わたしのオーディオですらこんなに鳴るんだから、超本格アナログ・オーディオ・システムで聴くとどういう音が鳴るのか是非体験したいものです。
と、これ以上は感動を伝える文才もないしそもそも感性もないので、次にそれぞれのレーベル面の比較を。
USプロモ盤 |
US盤 |
UK盤 |
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わたしのUS盤にはside1のマトリクスの後にうっすらと1-11111という刻印が読めるので、かなり後期のスタンパーが使われたようですが、USプロモ盤にはそんな刻印はなし。 |
また、BJさんに掲示板で教えていただきましたが、US盤プロモのRSレーベルで白色があるのは『STICKY
FINGERS』のみで(厳密にはJOUJOUKAとJUMING WITH
EDWARDSのプロモも白)、Mono盤はSTICKYのみ。
これ以降はジャケットにプロモ・ステッカーや曲目シールが貼りつけてあり中のレコードは通常盤とのことです。さらにジャケットにもいろいろ違いがあると教えていただきました〜!
さて、このUSプロモ盤にはもうひとつおまけが!
購入元いわく1stエディションのプロモ盤のみに付属していたという、ダストカバーがついています!
ダストカバーの表紙にはボール男がプリントされ、ジャケットより大きな厚めの紙の見開き仕様。内側は下部が折り返しになっているポケット形状で、その内ポケットの中にLPパッケージが収められる作りになっています。 |
ということで素晴らしい『EXILE
ON MAIN ST.』をゲットできましたが、これはもう宝物。今まで以上に保管に気を遣わねばなりませんが、やっぱりアナログは聴いてなんぼですのでこれからもたまには針を落とそうと思います。
CDにはCDのよさがありますが、やはりアナログっていいですね。
【追記 2013年4月】
またもやUKオリジナル・アナログのオール・マト1(COC
69100 A1/B1/C1/D1)をゲット。
4年ほど前に手に入れたUKオール・マト1に何か不満があったわけではないのですが、今回見つけたものはディスクのコンディションは極上でポストカードはついてますが、ジャケの角にダメージがあるためか、結構安かったのでえいやと。
このアナログについては、前述のとおりUK盤よりUS盤の方が音はちょい綺麗。でもUK盤の方がより陰湿さを感じる音というのが以前の感想。
それでは今回のは果たして?とがっつり聴き比べ。
すると今回のオール・マト1の盤のコンディションは以前ゲットしたマト1よりよく、バックグラウンドで鳴るチリパチが減少し、ならず者の陰湿さと凶暴さが向上!!
こりゃたまらんです。先日のサタニックといい、いいお買い物!
でも以前の持ち主はよほど"Happy"がお気に入りだったのか、Side3冒頭はジリジリと鳴るのでそこは例外(笑)
こりゃDisc1を今回の、そしてジャケとDisc2を前のとで組み合わせれば最強UKマト1セットになるなと思うも、オール・マト1それぞれ40年も連れ添った相方ディスクと生き別れにするのは忍びないので、やめとこう(笑)
そんなわけですが、音の綺麗さという点では、わたしが持っている4つの中ではやはりプロモ仕様のUS盤の方が一番。
まぁ盤のコンディションもそのUS盤が一番ですけど。それでもこのUK盤の陰湿さと凶暴さはなかなか。いやしかし同じアナログでもアレコレ聴き比べてみるのは面白いすね〜。
そしてわが家の再生環境ではこの作品についてはSHM-SACDもアナログには敵わない。
やはり『EXILE
ON MAIN ST.』はアナログで聴くに限る!
いや、SACDの手軽で素晴らしい音もいいんですけどね(笑)
まぁマスターにいろいろ課題があるんでしょうが、この作品なんてMFSLがSACD化したらまた違う次元の凄まじい音が楽しめるんじゃないかと思ったり。
↓の写真は上の黄色っぽいのがUK盤、下の白っぽいのがUS盤。ジャケの色合いも違いますね〜。