GOATS HEAD SOUP |
UK ROLLING
STONES RECORDS COC 59101 released in 08.1973 |
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わたくし、このアルバム大好きなんです。ロック・バーで聴くのがこれまたよい!
72年の南部サウンドの泥臭い『EXILE
ON MAIN ST.』から一変し、ビリー・プレストンを招いてファンクとニューソウルの風味が漂う『GOATS
HEAD SOUP』、この変貌振りがまた素晴らしい。
『BEGGARS
BANQUET』からここまでの5作品、Jimmy Miller の奇跡はやはりいつ聴いてもたまりません!
・・・ただ、一点気に入らない点もあるんですがそれはのちほど(笑)
そして『STICKY
FINGERS』はCOC 59100、『EXILE
ON MAIN ST.』がCOC 69100ときて、なんでCOC 59101なのかもよくわかりません(笑)
さて、この作品は72年11月下旬から12月にかけてジャマイカのキングストンで録音され、その後73Winter Tourをはさんだ5月、ロンドンのスタジオでのミキシングとオーバーダビングを経て、73欧州ツアー開始直前の8/31にリリースされました。常夏のジャマイカでのレコーディングは"MUSIC LIFE"73年2月号で星加ルミ子編集長がレポートされてましたね。Terra Navaというホテルに滞在し、夜の10時を過ぎた頃からスタジオ入りしていたと。そしてインタビューではその時はまだ開催予定だった日本公演についても。MUSIC LIFEがプレゼントした和楽器を持ったメンバーの写真が秀逸でしたね〜。
さて、このUKオリジナル・アナログの初期マトリクスはA2/B1。さらにレーベルのSIDE表示の上部に
"Made
in UK" 表記が「無い」ものが初版といわれています。
インサートは2種類付属。山羊の頭のスープとサポートミュージシャンのもの。US盤ではサポートミュージシャンのは内袋でしたね。
このサポートミュージシャンのインサートは実は2種類存在します。まずはAndy
Johnsの顔がはっきりせず、「これってGram Personsじゃないの?」と言われる非常にわかりにくかったもの。ということで、その後Andy
Johnsの写真は正面ショットに差し替えられています(写真右:赤丸)
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そういうわけで、このUK初期盤を買う際にはマトリクスだけでなくこのインサートが初回版かを確認してたら入手に結構手間取っちゃいました(笑)
CDではVirginリマスターやユニバーサルではそのわかりにくいオリジナル版が使われたりしていまして、わたしもどっちがオリジナルかよくわからなくなってましたが、某師匠がこっそり教えてくれましたぁ〜!(笑)
この作品はどうしても名曲バラード "Angie"
が収録されているという目で見られてしまいますが、ビリー・プレストンの参加だけでなくギターのエフェクトも多用されてVOODOOの香りが立ち込めた妖しさ満点の作品です。
オープニングの妖しい
"Dancing
With Mr.D."、エレピとテイラーが妖しくも美しい "100 Years Ago"、そしてキースの
"Coming Down Again" で深みにはまり、混沌としたギターの "Doo x 5" に立ち込める死の匂いにむせ返り、一転してニッキーが大活躍の
"Angie"、そしてB面はテイラーが心地よい
"Silver Train" で始まり、ミックのダブル・ヴォーカルが妖しい "Hide
Your Love"、これこそ至極のバラード "Winter"
に異次元トリップ "Can You Hear The Music" へ、、、ここで終わればいいのにと思うのは私だけでしょうか?続く "Star Star" のイントロで急に現実に引き戻される感じがあって浮いてるなぁ〜と。。。
ところでそのラストの "Star Star" は元々 "Starfucker"
というタイトルでしたが、アトランティック・レコードの意向で改名され、さらに歌詞の2箇所が問題となりUS盤のCOC
59101と再発COC 39101ではその部分を聴きとれなくしたセンサード・バージョン(検閲バージョン)が収録されています。CBSになってからのFC40492はアンセンサードになったものの、なんと2009年のユニバーサルからの再発CDではまたもやセンサード・バージョン登場!しかも全世界で。まぁセンサード初のCD化といえば聞こえはいいですが(笑)。しかしながらその後2010年にリリースされたアナログBOXではアンセンサードが収録され、CDもアンセンサードに差し替えられたものがあるとの未確認情報もあります。
まぁそれはともかく、ちょいと入手に手間取ったこのUKオリジナル・アナログ、もともとわたしは『GOATS
HEAD SOUP』と続く『IT'S ONLY ROCK'N ROLL』のCDの音質には不満があったんですが、このUK盤はいい音してます!!
まぁCDではVIRGINリマスターが一番ですかね。ユニバーサルのも最初は耳当たりがよかったんですが、ヘッドフォンを買い換えたらその音に愕然としました。よく聴くと高音域がつぶれてしまってダメです。ところがこのアナログはいい音しますよー。音の輪郭が綺麗だし低音も厚みとパンチがあります。まぁもっと綺麗な音に仕上げられなかったのかとはいまだに思ってますが(笑)