THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST |
UK
DECCA MONO TXL
103 released in 12.1967 |
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3Dジャケで有名なサタニック・マジェスティーズのUK
DECCAオリジナルMONO盤。
写真は勿論2枚組というわけではなく、マトリクス違いの2枚。
このアルバムはステレオ・モノラル共にリリースされていますが、極上コンディションのMONOマト2(2K/2K)を先に入手し、そのど迫力高音質のモノサウンドにやられながらも、
「マト2でもこんなに迫力なのに、やっぱりラウドカットといわれるマト1とは違うのかな?? いや、マト1がラウドカットというのはもしかしたら都市伝説なのでは?」
などと、持っていないことをいいことに邪推なんぞしていたところ、市場価格の半額ほどで売っているのを見かけポチッと。。
盤のコンディションはマト2の
"EX" に対して、そのマト1はチリノイズの乗る "VG" 程度ですが果たしてその違いは。。
と、その前にこのアルバムについておさらい。
スタジオ・セッションはロンドン・オリンピック・スタジオで行われ、1967年2月にアーリーテイクがいくつか、そして欧州ツアーをはさみ、5月から10月にかけて、時にブライアン不在で録音された力作です。この頃の延々続くインストセッションはMidnight
Beat の 『SATANIC SESSIONS (vol.1&2)』 として8枚組でブートCD化もされています。
そんな力作サタニックですが、ビートルズのサージェントの〜などなど賛否両論。でも切れ味たっぷりのキース、多彩さを放つブライアン、ニッキーのピアノ、やったぞビル・ワイマン、といろいろと楽しめてわたしは結構好きです。まぁストーンズらしくないことは確かですけど。でも
"She's A Rainbow" なんてこのアルバムに入れるつもりだったのかどうか?どうせやるならもっと壮大な魔王賛歌に仕上げていればと思ったりもします。
なお、このMONO盤に収録されている
"Citadel" はステレオとはちょっと違い、オルガンがやや抑えられてフェードアウトが早くなっています。"The
Lantern"ではオープニングの鐘の音がステレオでは2回ですが、モノラルは3回鳴ります。また
"Gomper" でもエンディングではオルガン以外の楽器のフェードアウトがステレオより早くなっています。解説本によると
"Sing This All Together" も僅かにグィロの音量に違いがあるそうですが、そういわれればという感じ。
ちなみにCDにも収録されているA面ラストの
"Cosmic Christmas" はノンクレジット・トラックですが、33回転から45回転に回転数を上げると
"I wish you a Merry Christmas" というクリスマスソングになります。全然クリスマスらしくないアルバムですし、45回転で聴いても不気味なメリクリですが、レコード会社の意向を汲んでクリスマス商戦向けに無理やり突っ込んだのではとのこと。
そして最後にこのアルバム自体に重要な特徴が。この作品からようやく英米アルバムが統一されたのでした!
さて、前置きが長くなりましたが、先に入手していたマト2を聴いたときには、このDECCAオリジナルMONOのド迫力に驚愕!
そして音圧たっぷりでありながら高音も澄み渡ったクッキリサウンド。なるほど、これが噂のDECCAイコライジングのなせる業ですな。う〜ん、今さら思い知るとは今まで勿体ないことを〜。。。
という感じでしたが、マト1はいかに?
最初はわかりにくかったのですが、やはり聴き進むとラウドカットとの異名は都市伝説ではなかったことを実感。
マト1の音圧は、通常より音圧の高いマト2の更に上を行き、針飛びが起こりやすいといわれる
"2000
Light Years From Home" だけでなく、"2000 Man" でもブンブンドンドコ鳴りすぎ(笑)。それでいて高音はマト1もマト2同様すっきりクッキリ(わたしのマト1はチリノイズが乗っていますけど)。なるほどこりゃ
『LET
IT BLEED』 MONO盤と並んで人気が出るわけで。でもちょっと低域がききすぎて中域が奥まったように感じたり。
う〜ん、そんなわけで迫力はマト1に軍配が上がりますが、さすがに作り直しただけあって全体的なバランスはマト2の方がいいですね。
ちなみにマトリクスの数字と並んでいるアルファベットはカッティングエンジニアを指し、アルファベットが違うということはカッティングエンジニアが違うことを意味しています。マト2のT2-2Kというコンビの意味はわかりませんが、TさんとKさん?
ところでこのサタニック、元々ステレオ盤があるのに何でわざわざモノラル盤をと。USステレオ盤やSACDとわざわざ比べるまでもないけど比べてみましたが、臨場感は勿論ステレオの勝ち。でもまっすぐに突っ込んでくる実直なモノラルの迫力は、ステレオでは到底表現できません。ではアンプでステレオをモノラルに切り替えると同じかというと、そんなフェイクとは違うわけで。
まぁステレオはSACDが素晴らしい音ですけど、ステレオをシャンパンやワインでの酩酊状態とするなら、モノラルはがつんときて媚びないどぶろくをがっつり、といったところ(意味不明・笑)
【追記 2013.04】
マト1の更なるコンディション向上を狙ってちょくちょくお手頃なコンディション良好盤を探し続け、一度は最高コンディションながらも1箇所に傷があり残念ながら返品したりもしてましたが、2013年4月、ようやく納得できるマト1、1P/P1をゲット!
今度のはいいぞ〜!!チリパチが大幅に減少して怒涛のラウドカットが堪能できるナイスなアップグレード!!
さらにジャケの背中の印刷が上下逆のタイプ!右の写真の上側がその逆タイプ。かなり剥がれかけてるけど(笑)
いやしかしこれ、ほんとめちゃくちゃ凄い!超絶ラウド!それがまたMONOだから凄い迫力!凄すぎてやっぱりバランスは悪い(爆)
でもこういう音を楽しめるのもアナログの面白さ!今度はUS盤MONOを探すぞ〜!