THE ROLLING STONES |
UK DECCA MONO LK4605 released in 04.1964 |
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12週間もUKチャートのトップを飾った記念すべきデビューLP。1964年MONO盤のみリリース。
骨董品などない我が家では、1963年のデビューシングルと2ndシングルに続く古いもので、住人より年寄り(笑)
さて、UK DECCAのオリジナルLP盤は結構いい値がしますので、わたしは以前アナログ収集においては、LPはUS盤、シングルはUK盤という基本ルールを設けてコレクションしており、DECCAオリジナルLPには手を出さずにいました。まぁ当時はブートもガンガン買ってましたからとても手が出ず(笑)。その後、小火をおこしてアナログも半数以上を失ってしまい、暫くアナログ収集の意欲を失いましたが、episode8に書いているとおり、今年(2008年)にNYでこの盤を購入し、その後モノラル・カートリッジも購入して実際に聴いてみてからは、その自然な音に惚れ込み、沸々とUK
DECCAオリジナルLP盤への想いがつのり、、、そんなわけでこのアルバムは、DECCAオリジナル盤に目覚めさせてくれた思い入れの強い盤です。
それではまずは基本のおさらいから。ここを見てくださる方は十分ご存知の方も多いと思いますが。
UK
DECCAオリジナル盤のレーベルは、DECCAのロゴがオープンDECCAあるいはUNBOXED
DECCAと呼ばれるデザインで、このタイプは1969年の秋まで使用され、その後はオリジナルも再発盤も四角の箱入りのBOXED
DECCAロゴとなります。そしてLPではレーベル面が赤色(マルーン)がモノラル、青色がステレオというのが基本です(サタニックのような例外もあり)。また、リングプレスといった特徴も。これらはStones
Vikingsのコチラで詳しく解説されています。
また、オリジナル盤のジャケットは、フリップバック(折り返し)となっていて表面にコーティングが施されているのが特徴です。でもわたしのもそうですが、年月と共にそのコーティングに皺がよっちゃうのがちと難点。
(追記)初期版でもフリップバックではないジャケもあるようです。
それにしてもデビューアルバムのジャケがメンバー5人の写真とDECCAロゴのみという強気の一手。
かわりに裏ジャケにはデカデカとバンド名という思い切ったデザインがナイスですね。
ちなみに裏ジャケでは故
Bo
Diddley の "Mona" を "I
Need You Baby" として記載、そしてスチュの参加曲のクレジットのうち、B-4を
"Can't
I Get A Witness" と妙なタイプミス。
わたしのこの1A/4A盤ではレーベル面も
"I Need You Baby" となってます。
中身の方は、全12曲収録で Chuck Berry や Willie Dixson、Jimme Leed、 Bo Diddley らの曲に加えて、完全オリジナルの "Tell Me"、Phill Spector との共作 "Little By Little"、そして "Can I Get A Witness" のカラオケテイクの "Now I've Got A Witness" が一応オリジナルとして収録。
このデビュー作はモノラルしかなく、過去日本でもCD化されていましたが、現行のCDラインナップは米国リリースをベースとしているためCDカタログから外されてしまい、SACD化されていないのが残念無念。旧規格のCD(P33L、P25L、POCD)はちょい音悪いんすよね〜。なんてえらそうなこと言っても、さっきも書いたとおりわたしがこのDECCA盤を買ったのは今年(2008年)ですけど(笑)
さて、DECCA原盤の音やいかに!!
収録曲は1964年1月から2月にかけてロンドンのリージェント・スタジオで録音され、元々音質的には大したことないわけですが、やはりCDの音とはちょっと違った自然な音でガレージロック全開、ブライアンがリーダー然としていたであろうこの頃の若さあふれるストーンズが目の前に広がります。やはり1曲目は
『ENGLAND'S NEWEST HIT MAKERS』 での "Not
Fade Away" よりもこの "Route 66" の方がお気に入りです。ここで各曲の解説や感想なんぞ書きませんが、このアナログの自然な音はほんとに心地よい!でもよくUK
DECCA盤に言われる"音圧が高く迫力が〜、"といった音ではありません。CDでは音が団子でややくぐもっているのに比べ、より粒が細かく明快でいて柔らかな音です!まぁ気軽に聴くには断然CDなわけですが、やはりたまにはアナログで聴こうと思わせてくれる一枚です。
ところでCD化の際に混入したノイズだと勝手に思い込んでいた
"Route
66" や "Carol" で聴こえるキュルキュルキュルキュルとバックで小さく鳴る音、それがこちらでも聴き取れたのは意外。このキュルキュルは一体何?。SACDの
『ENGLAND'S NEWEST HIT MAKERS』 でも聴こえますね。
また、"Tell
Me" には3つのバージョンがありますが、ここに収録されているのはいわゆる
"Tell
Me II"(4'06) でブチ切れロングバージョン。
Side2のマトリクスが1Aと2Aという極初期の盤にのみ誤って
"Tell
Me I"(2'52) というデモテイクが収録されていますが、それはかなりの貴重盤で、日本で売っているのを見かけても20万円以上します!なのでず〜っと売っているお店がごく数軒。そうしたわけで、ホフマン氏のデータ本
"ホワイトブック" にはその "Tell Me I" をコピーしたお手製7インチシングルがついていました。
("マトリクス"などについてはこれまたStones
Vikingsのコチラがわかりやすいです。)
なお、IIのショートバージョンである
"Tell
Me III"(2'41) は、7"シングル及び 『SINGLES COLLECTION』(3CD
1989) で聴くことが出来ます。
・・・がしかし、そのショート・バージョンの収録された幻の1Aをゲット!!
日本市場価格と比べると破格の激安!!『LET
IT BLEED』1A/1A盤より安かった(笑)
"THE ROLLING STONES"
LK4605 // UK DECCA MONO released in 04.1964 |
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うちに届くとどきどきしながら開封。そっと盤を手にしてside2のマトリクスを確認すると、おおおおおおぉぉ〜まごうことなき1A!!そしてside1/2ともに3時9時位置の刻印は
"1" "U" !!
これが
"Tell Me I"
(2'52) が入った初盤オリジナルですかぁ〜!と、興奮が波のように〜♪(笑)
入念にクリーニングしてそっと針を落とすと、う〜ん、まさに!!ボーカルもギターも違う!ミックのちょいぞんざいな唄い方が、まさにアーリー・テイクというかデモ・テイク!
歌い始めも "I
want you back again, I need your love again" と、歌詞も微妙も違うし、まさしくこれぞ間違って収録しちゃった幻の初盤!
でもこれは観賞用というよりは、、、コレクターズアイテムですね。ま、安いなりにジャケは上部が開いちゃってますし、盤のコンディションもイマイチですが(笑)
ところで、、、この
"Tell Me I"(テルミー・ワン)、よく言われる"2分52秒"じゃなくて、"3分ちょうど"
なんですけど??
ここに "Tell Me I" (not 2'52 but 3'00) と命名します!?
それにしても一体どうして2分52秒と言われるようになったのやら?さてはホフマン氏が作ったホワイトブックにおまけでついていた7インチシングルのフェードアウトがちょい早くて2分52秒だったんでしょうか?その7インチも罹災して廃棄しちゃったし、これが入ってるブート(IUシリーズの
Beggars
Breakfast やVGPの Bright Lights Big City やら)も持ってないので、そのへんの事情は不明。でもどこもかしこも2分52秒と書いているし、これはパチモンなのかと不安に(笑)。
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(追記)
2008.8.16更新後、すぐに掲示板で情報を頂きました!
ホフマン氏がホワイトブック発行当時入手した
"Tell Me I" の音源は頭切れで、そのため短くなっていると。(今はどうか知りませんが当時ホフマン氏は1A盤を未所有)
そしてブートも1A盤からの板落しのVGPの
『BRIGHT LIGHTS BIG CITY』(VGP-307)
以外はみんな頭欠けの2分52秒とのことで、レコードコレクターズに記載されているとのこと!パチモンじゃなくてよかったです(笑)
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さて、もうひとつ解せないのは、side1のマトリクスが1Aではなく2Aだという点。
通常多く流通している初期盤は、side1/2の組み合わせが
"1A/3A" や "1A/4A" ですので、それ以前と思われるこの盤のside1が2Aというのは妙な感じが。
この "Tell ME I" が収録されているのは "1A/1A" と "2A/1A"
が確認されています。資料などによるとside2が"2A"というのも "Tell
Me I" だそうで、2012年6月に海外オークションでも見かけましたがそっちのほうが少ないかも。これは "Tell Me" の収録ミスに気づいてマザーを差し替えたら、、、何度も間違えちゃった、というミスの積み重ねなんでしょうか??
しかもこの2A/1A盤、Side
1のレーベル面の4曲目は "Mona" 表記です。ジャケは "I Need
You Baby" 表記なんですが。これまた謎だ。。
それはともかく、2008年夏現在、"2A/1A" が日本でも数店で販売されていることがネットで確認できます。20万は下らないですけど。。。そして"1A/1A" は過去eBayに数点出品されており、250GBP程度の安値で落札できたケースもあったことがオークション結果をまとめたサイトで確認できました。そりゃ出来れば
"1A/1A" も欲しいですが、上で紹介したもう一枚とあわせれば
"1A/1A" になるということで(笑)
追伸
その後、禁断の1A/1Aをひっそり入手したのでした。
ちなみにジャケのコンディションがすこぶる悪かったため、相場からすると激安。でも肝心なのは1A/1Aの盤なのでお買い得でありました。