このアルバム、別にストーンズ・メンバーが参加しているわけでもストーンズ・ナンバーをやっているわけでもありません。
Claudia Lennearといえば、Ike＆Tina Turner のバックコーラスをつとめた IKETTES（アイケッツ）の元メンバー。70年代からは Leon Russell などのスワンプ系アルバムにコーラスやヴォーカルとしてじゃんじゃん登場し、スワンプ・コーラス女王として君臨。
そしてどうやらストーンズ、というかミックと交流があり、"Brown Sugar"の歌詞は彼女にインスパイアされた曲らしいと。さらには David Bowie の "Lady Girinning Soul" もそうだとか。
でも結局彼女がミックと一緒に歌ったものは残されていないんですよね。

↓ストーンズの69年MSG公演のバックステージでミックと談笑する彼女。from Wolfgang's Vault

そんな彼女の唯一のソロアルバムが73年に発表されたこの『PHEW!』。これまた残念ながらオフィシャル未CD化。
（追記：2013年に『新・名盤探検隊2013』シリーズでめでたく世界初CD化！『クラウディア・リニア　PHEW!』）『新・名盤探検隊2013』シリーズで目出度く世界初CD化

彼女は当時はドン・ニックスの奥方だったようですが、A面はロン・デイヴィスやファリー・ルイスのカヴァーとオリジナル・ソングで、ライ・クーダーも参加したスワンプ系、B面はアラン・トゥーサンの曲のカヴァーのメドレーで、アラン・トゥーサン本人やジム・ケルトナーなどの豪華メンバーによる演奏もききどころのご機嫌のソウル系と、豪華な内容！コンセプトの違うA面B面でプロデューサーも異なります。

このアルバム、彼女のヴォーカルも演奏もほんとに素晴らしく、オフィシャルCD化されていないのが悔やまれます！わたしも気軽に聴く用に、アナログ落しのCD-Rまで丁寧にジャケまで復刻して仕上げました。もちろんアナログの音には及びませんが（笑）。
ちなみにB面の "Everything I Do Gonna Be Funky" だけは 『What It Is! Funky Soul and Rare Grooves』 でCD化されており、この曲だけならiTunes Storeでも購入できます。
（追記：繰り返しますが2013年にCD化されました！）

そんなスワンプとソウル両方が楽しめる素晴らしい作品なんですが、あまり流通しなかったのか、中古で売っているのを見かけても殆ど白色プロモ盤。わたしのもそうです。
でもジャケットは表裏を広げればクラウディアちゃんの半身以上が拝める素敵なデザイン！内ジャケも目が怖いけど刺激的（笑）
ちなみにA面のマトリクスは、30282-1Bと刻まれた頭の3が二重斜線で消されて4と修正されているという緩さ（笑）

たまに見かけてもそんなに高くもないし、お買い得感の強い一枚ですのでどこかで見かければ是非！